ホトケノザ 別名:サンガイグサ・他

シソ科

撮影 2000.2.24 高津区 久地梅園幼稚園付近にて

解説

 アジア・ヨーロッパ・北アフリカにまで広く分布ししているそうですが、この花の名前から考えると、日本独自の花のようにも思えたりするのは私だけでしょうか。早春、まだ他の植物が動き出さない時期、日だまりでは、もうこの花は、写真のような美しい花びらを満開にして、虫たちの訪れを待っていました。この花は拡大してありますが、是非ルーペで覗いてみてください。感動的です。
 春の七草にいうホトケノザは「仏の座」と書き、キク科のタビラコのことで、この花のことではないそうです。
 茎は四角形(シソ科の特徴)で細く、根に近い方でたくさん枝分かれして広がり、そこから上の方に伸びていきます。高さは10〜30cmになり、まわりには下向きの毛がたくさん生えています。
 葉は、上部につくものは互い違いで柄がなく、茎の周りを取り巻くようについています。下部の葉は、長い柄があり、形はほぼ円形です。同じ植物でありながら茎の上部と下部で柄があったりなかったりするのはおもしろいですね。このような植物は、他にもたくさんあります。それぞれが工夫して精一杯生きようとしているように見られます。
 花は、紫赤色(上の写真参照)をおび、葉の付け根にくちびる型の花が横向きに数個つきます。花の内側には、また細かい模様がみられます。ますますかれんに見えますね。(上の写真参照)。がくは五つにわれ、毛がたくさん生えています。オシベは4本で、そのうち2本は長く、他の2本は短めです。
 花びらには長い筒の部分があり、開くと長さは約1.5〜2cmほどになりますが、開かない花も多く(閉鎖花)、がくの中にうずもれていて、そとにでてきません(上の写真の左の花のように)。それでも雌しべは自分の雄しべから花粉をもらい、種を残します。すごいですね。背が低いので、他の植物が大きくならないうちに、種を作ってしまおうとするんですね。頑張っていますね。

   

撮影 2000.2.24 高津区 久地梅林幼稚園付近にて