ビワ 

バラ科

撮影 2000.2.2 高津区溝口3ー17−25 付近で

解説

現在のように、実を食べるための樹木は中国から渡ってきたもので、その栽培が盛んになったのは明治30年頃からだそうです。暖かい気候を好む常緑の果樹で日本では、古くから知られていて、古い書物などにもその名前が出てきます。 葉は互い違い(互生)につき、大型で厚く長いだ円形で、表面にはつやがありますが、裏面には淡かっ色の毛をたくさんつけています。枝にも毛がたくさん生え、黄色の果実にも短い毛があるのはご存じでしょう。 花は11月中旬から翌春3月頃まで順次開花します(上の写真参照)。花期の長いのが特徴で、一つの花房に100粒くらいのつぼみをつけます。白または、黄色味を帯びた白色の花を咲かせ、よい香りを出します。花びらは5枚、がく5枚、雄しべは約20本あります。とても地味な花で目立ちません。そのため気をつけて観察しないと見落としてしまいそうです。 このビワの花の香りのことで、「草木図誌」(鶴田知也著)という本を読んで驚いたことがあります。ビワの開花時期は、冬の寒い時期です。しかも花はあまり目立ちません。どのような手段で受粉するのでしょうか。ここでこのよい香りが重要な役目を果たすのだそうです。それはこの香りに引きつけられて、蜂が集まってくるというのです。蜂によって受粉ができ、あのおいしい実ができるのです。私も知りませんでしたし、すごい工夫をしているんだなあと、あらためて植物たちの魅力について、再認識しました。

   

撮影 2000.2.2高津区溝口3ー17−25付近で 撮影2000.6.20同所で