ハエドクソウ 

ハエドクソウ科

撮影 2000.8.8 高津区溝口4−49−1205 付近で

解説

 この花は、川崎市立高津小学校の塀ぎわで撮りました。まだ初期の花のようで完全には成長しきってはいないようです。でも今度来るときまで待ってはくれませんので撮りました。そうしたら蝶が大サービスをしてくれました。
 さて、この花には、大きな特徴があります。それは1科、1属、1種だからです。ハエドクソウ科には、世界中を探してもこの花一つしかないということなのです。何がそのように特別なのかというと、花が終わり、果実が出来ます。果実には当然種が入っていますが、その種がたった一つなのです。そこが特別なのです。そのため種はこの花にとってとても大切です。果実には反り返ったトゲがあり、このトゲで動物にくっついて運ばれていきます。このような種は他にもあります。ぜひ調べてください。
 花は、上と左下の写真を見てください。下から咲き始めていることがお分かりと思いますが、咲きはじめは上を向いていた花が、開くにつれて下を向いてきます。そして果実になったときは完全に下を向きます。面白い仕組みですが、どうしてこのような仕組みを作らなければならなかったのでしょうか。本当に不思議です。ですがこれは、子孫を残すための大切な工夫なのですね。上に述べたように種が一つしかないこと、そして果実にはトゲがあることなどと考え併せてください。
 この名がついたいわれは、昔この花の根を取ってすりつぶし、その汁を紙にぬってうるさい蝿を捕ったところから付けられたのだそうです。

   

撮影 2000.8.8 高津区溝口4−49−1205 付近で