オオバコ 

オオバコ科

撮影 2000.5.8 高津区久地 久地ゴルフガーデン付近で

解説

  この花を見ると、子どもの頃を思い出します。この花の茎をもぎ取り、友達とひっぱりっこをして遊んだ経験があるからです。川崎でも道ばたや荒れ地などどこででも見られる花ですが、調べてみると子孫を残すためにとても工夫している花なのです。子孫を残すためには、自分の花の花粉が自分の花の雌しべにつくこと(自家受粉といいます)を嫌う花が多いようです。確実に立派な種を残したいからなのでしょう。オオバコもそういう花の仲間です。最初に雌しべが咲き始めます。そのときは雄しべはまだ成長していなく伸びていません。そこで雌しべは風で運ばれてくる他のオオバコの花粉をつけます。花粉のついた雌しべはしなびてしまい、代わって雄しべが伸び始めます。
 また、オオバコは生きていくための別の工夫をしています。それは、人や獣がよく踏みつけるような所でも、平気(?)で成長するのです。他の植物は、踏みつけられると生きていけません。オオバコは、踏まれても踏まれてもまた成長します。それは地中に長い根をもっているからです。葉や茎が枯れてしまってもまた根から芽を出すのです。我慢強いですよ。
 下の写真で細い糸の先とその先に白いものか見えますが、これが雄しべです。もう花も終わり頃の写真です。このように雌しべが先に開き、雄しべが後から開いて自分の花の花粉を自分の花につけないようにしているのです。すごいと思いませんか。この花のように、雌しべが先に開くことを”メシベ先熟(せんじゅく)と言っています。

   

撮影 2000.5.8 高津区久地 久地ゴルフガーデン付近で