アキグミ 

グミ科

撮影 2002.3.28 多摩区堰 1−32−6 付近で

解説

 グミには、子どもの頃のなつかしい思い出があります。おやつはもちろん、三度の食事も充分に食べられなかった時代ですから、赤く熟したこのグミの実は、クワの実とともに、たいへん魅力的なものでした。ですから熟すのが待ち切れません。でも、熟していないものは、とても渋いのです。舌の上にシブがべっとりくっつくのです。さらにベンが詰まってしまうというおまけまで付くのです。一度この経験をすると、次の年は赤い実が熟すのをじっくりと待つようになります。この間大人は、何もいってはくれません。大人も忙しくて子どもの面倒を見てやれないからです。自分で経験しながら少しずつ大人になったということを思い出すのです。
 グミの仲間にも、たくさんの種類があるようです。この場合は、たくさん花がついていることからアキグミとしたのですが、10月〜11月にかけて、6〜8mmの球形の実が熟します。この実もぜひ撮りたいものです。
 花びらが4枚あるように見えますが、じつは花びらではなく萼(ガクと読み、雌しべを保護する働きがあります)です。花びらはありません。ガクの根元が筒のようになっていて、その奥の方に、子房(シボウと読み、種が出来るところ)があります。この子房が大きく成長して、実になるのです。
 花がたくさんたれ下がって開いているのが目立ちますね。雄しべは4個、雌しべは1個です。

   

撮影 2002.3.28 多摩区堰 1−32−6 付近で