エニシダ 

マメ科

撮影 2000.5.25 高津区溝口 2-24-470付近で

解説

 この花は、黄色に赤が混じって、大変きれいな色をしています。たぶん園芸種で、改良されているのだろうと思われます。
 左下の写真を見てください。花が2個あります。どの花にも白いひものようなものが、くるりと輪を書いたようになっているものが見えますが、実はこれが雌しべの先(五つに割れて伸びた柱頭)なのです。どうしてこのような形になったのでしょうか。そのことを考えてみましょう。
 下の左の写真をもっとよく見てください。巻いた雌しべの先は、二つの花ともに上を向いているのが分かるでしょうか。ここが大切なのです。
 ここにハチなどの昆虫が訪れたとします。昆虫は蜜を求めて花びらの間から奥の方にもぐります。すると雌しべの先は昆虫のおなかをなでることになりませんか。そうなのです。もうお分かりと思いますが、雌しべが花粉を確実に受け取るための仕組みの一つなのですね。このエニシダの場合はもっとおもしろいことがあるのです。田中 肇著「虫媒花と風媒花の観察」ニュー・サイエンス社によると、エニシダは”破裂型(はれつがた)”の花だそうです(同書P32)。ハチなどが訪れて、蜜をとるため花びらをこじ開けると、とつぜん雄しべと雌しべが飛び出して、ハチの腹や背中に花粉をばらまくのだそうです。雄しべや雌しべが動き出すのですよ。驚きますよね。いつかハチになりかわって試してみたいなあ・・・・・。そう思いませんか。 

   

撮影 2000.5.25 高津区溝口 2-24-470付近で