ナガミヒナゲシ 

ケシ科

撮影 2000.4.18 高津区溝口 5−23 付近の駐車場で

解説

 4月はじめ頃、朝の通勤時、民家の前でこの花を見つけました。よし、明日写真に撮ろうと心に決め、翌日行ってみました。だがもう花びらは散ってしまって、まだ幼いつぼみだけがいくつか残っていました。しかたがない咲くまで待とうと決めて、毎日そこを通るのですが、なかなか開いてくれません。 くやしいなあなどと思っていたときの帰り道、別な道でこの花が群生しているのを見つけました。いやあ、うれしかったです。 栄養状態によるのでしょうか、大きな花をつけるもの、小さい花しかつけられないものなど、いろいろです。葉の数や、茎の高さなどが多いほど、花も大きいようです。 ヨーロッパ原産で、日本には、江戸時代に伝えられ、観賞用として庭などに植えられてきました。花の色のいろいろあるようです。背の高さは50cmほどになり、葉にも茎にも毛がたくさん生えています。葉は互生(互い違いに生える)で、ヨモギの葉のようにたくさんの切れ込みがあります。茎は、まっすぐ伸びてあまり枝分かれはしませんが、その先に花がつきます。2枚のがくがあるのですが、花が開くにつれて落ちてしまいます。花びらは4枚、多数の雄しべと太い雌しべがあります。雌しべの先(柱頭:ちゅうとう)は写真のように、放射状に模様があります。つぼみは下を向いていますが、花が散ってしまった雌しべ(子房)は、きちんと胸を張ったように上を向いています。 この花の仲間には、モルヒネという麻薬を含むものもありますが、この花にはありません。そのためヨーロッパでは昔、この花を煎じてせき止めの薬として栽培していたそうです。

   

撮影 2000.4.18 高津区溝口 5−23 付近の駐車場で