ネムノキ 別名:ネブノキ、コウカ、コウカギ

マメ科

撮影 2000.8.8 高津区溝口 5−15−1189 付近で

解説

 花盛りのネムノキが、鉢に植えられて玄関先にありました。なんときれいな、そして不思議な花なんでしょう。このうす紅色の毛のようなものは一体なんでしょうか。
 本来は、高さが10�。にもなる落葉小高木なのですが、この場合は鉢に植えられていたので1�。ほどで、花の咲く時期も8月の今が満開なのですから、かなり遅れているようです。
 さて、写真の葉を見てください。向かいあってついている小さな葉の一枚一枚は、葉のほんの一部です。この小さな葉を小葉といいます。この小葉がたくさんついているかたまりの向かい側にもまた同じような小葉のかたまりがあります。この小葉のかたまりがいくつか茎にくっついていますが、これでやっと一枚の葉なのです。鳥の羽のように小葉がくっついている(羽状複葉:ウジョウフクヨウと読みます)羽状複葉が二回くり返されています。ネムノキという名は、この小葉が夜になると向かいあった同士が重なり合い、葉全体がたれ下がって眠ったように見えるところから、この名がついたのだそうです。
 花で、うす紅色の長い毛のようなものは何でしょうか。これは雄しべです。長さは3〜4cmほどで、根元の方は、くっつきあっています。花は、枝の先につき、一つの花のように見えますが、小さな花が10〜20個ほど集まったもので、夕方開きます。花びらは8mmほどとたいへん短く、先が五つに割れています。写真では分からないのが残念です。
 万葉集をつくった頃からこの花の美しさにひかれて、ネブという名で親しまれてきたそうで、青森県以北にはないそうです。

   

撮影 2000.8.8 高津区溝口 5−15−1189 付近で