1989年に国連で、世界の子供たちの権利を守ろうと「子どもの権利条約」を定め、多くの国や地域でこの約束を守るための取り組みが行われています。それを受け、川崎市も大人と子供たちが話し合って、2001年に自分たちのための「川崎市こどもの権利に関する条例」をつくりました。これは、子どもが一人のひととして尊重され、自分らしく生きていくことを支えるための市と市民の約束です。全国でも初めての総合的な子供の権利条例だったことに加え、大人と子どもが一緒に関わって条例をつくることは画期的なことでした。当時、小学校高学年から高校生までの子どもたちが、自分たちのこととして子供の権利を考え、みんなが尊重しあう理想をかかげ、特に大切な権利を大きく7つにまとめ、明るい未来をつなごうとしました。この原理は、年が経っても変わりません。

 先日、この「川崎市子どもの権利条例」の制定に深く関わってこられた先生をお呼びして、ひととして自分が大切にしたい権利とは?を考える授業を行いました。7つの権利のうち、今、何を大事にしたいかを山に例えて付箋をはっていきました。自分が頂上に選んだ権利について、どうしてそう思ったのかを意見交流しました。改まって考えるよい機会でした。

 

 

 子供たちの意見を少し紹介します。 「私が2番めの『ありのままのじぶんでいる権利』にした理由は、上手だったり、苦手だったり、人それぞれ色々だから、ありのままでいいと思ったからです」「なぜ僕が『自分を守り守られる権利』にしたかというと、守られると幸せに生きられるし、人の役にたてるからです」「なんで『自分で決める権利』が大事だと思ったのかというと、自分で決める権利は自分の人生を決めるみたいな感じだと思ったから、『自分で決める権利』が大事と思いました。」3年生らしく向き合っていました。

 最後に「自分の人権を大切にし、ひとの人権も大切にすることが大事」という話と、「つらい時には誰かに相談していい」という話を聞き、授業は終わりました。