川崎市立高津高等学校長
山口 尚史


ようこそ、本校のホームページにアクセスしていただき、ありがとうございます。

本校は、昭和3(1928)年4月に開校し、地域の皆様のご理解とご協力により、歴史を積み重ね、数年後には創立100年を迎えます。

今までも多くの優秀な人材を育て上げた教育力を活かし、「自己の豊かな人生を切り拓く生徒の育成」をめざして、生徒一人一人の可能性を最大限に伸ばす「生徒が主役の学校」を目標に、引き続き、魅力ある学校づくりに取り組んで参りたいと考えております。

学校経営の重点項目として、「豊かな心の育成」、「確かな学力の向上」、「魅力ある学校づくり」、「安全・安心な学校づくり」を4本柱として据え、さらに伝統を築き上げていきます。

また、令和元年度より、次の2つの新たな取り組みを始め、常により特色ある教育活動を展開して参ります。

  1. 身につけて欲しい3つの力
    「学ぶ力」「自律する力」「実践する力」の3つの力を「高津で身につけて欲しい力」として取り組みを進めて参ります。
  2. ICTを活用した学習活動の推進
    令和元(2019)年度より、一人1台のタブレットPCを導入し、授業等でのICT活用を進めている最中です。生徒一人ひとりが、より主体的、探究的、協働的な学びができるようにつとめて参ります。

今後とも、本校へのご理解、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

 令和3年4月

「尊い、大切な存在」 You are precious.

みなさんにお伝えしたいことが三つあります。

  1. あなたは尊く大切な存在

    「あなたは自分で自分を大切な存在だと思っていますか。」

    家の食器棚には色々な器があります。小皿、大皿、小鉢、大鉢、ご飯用のお椀もあれば、お味噌汁用のお椀もあります。また、調味料を入れる器や、調理に使う道具もあるでしょう。

    色や材質も様々です。きらびやかなものもあれば、非常にシンプルなものもあります。

    使う頻度も、毎日使うものもあれば、季節に応じて使うものもあります。

    一つ言えることは、大きなお皿が尊くて、小さな器は価値がないということはありません。どんな器にも必ず役割があり、製作者の意図があります。

    家にある器にさえ様々な役割や性質があるのなら、その器以上に、私たちにも様々な性格や役割があり尊い価値があります。

    あなたは唯一無二、かけがえのない存在です。あなたにはあなたにしかできないこと、あなたにしか考えられないこと、あなたにしか感じられないことがあります。

    もしかしたら、これまで生きてきた中で、人からの心無い言動によって、傷つき、本来の自分の姿を失っている人もいるかもしれません。それでも、あなたは尊い存在であるということを知ってほしいと思っています。過去は変えられませんが、これからの未来はあなた次第です。
     
  2. 隣の人も尊く大切な存在

    「あなたは出会う全ての人を受け入れ、認めることができますか?」

    これは人類にとって、非常に困難な問いです。

    あなたは唯一無二、大切で尊い存在であると記しました。ならば、隣にいる仲間もあなた同様尊く大切な存在であると言えないでしょうか。

    道端に咲いている花は、言うまでもなく花だけで存在することはできません。そこには地中の水分や養分を吸収する根、それらを花に送る茎、栄養分を生産し温度調節をする葉があります。見かけは異なりますが、それぞれには違った役割があり、花が咲き、実を結ぶためには、相互になくてはならない大切な存在です。

    周囲を見渡せば、話すのが上手な人もいれば、聞くことが得意な人もいます。運動が得意な人もいれば、文化的な活動が得意な人もいます。違いはありますが一人一人が尊く大切な存在です。また、あなたの周りには、似た者同士と言える仲間、気の合う仲間もいれば、自分とは全く正反対だと感じる級友もいるでしょう。

    たとえ、隣の人と意見が合わなくても、その人は尊く大切な存在です。私たちは、お互いの良さと違いを認め、多様性を受け入れることを学び、一つのからだのように成長していけるようにと願います。
     
  3. あなたは必要とされている存在

    高津高校には生徒の皆さんに身に付けてもらいたい3つの力プラス1つの力があります。「学ぶ力」、「自律する力」、「実践する力」そして「ICT活用能力」です。

    これらの力をつけるにあたって、まずは、皆さん一人一人が尊い大切な存在であるということ、そして、あなたが大切な存在であるのと同様、隣の人も大切な存在であるということを是非心にとめてください。

    あなたもあなたの隣の人も社会から必要とされています。あなたができることと、隣の人ができることが組み合わされて、よりよい社会になっていくはずです。

    あなたは必要とされている存在です。

    自分の良さを見つけ、見つめ、隣の人の良さと違いを認め、受け入れ合い、人として成長していく高校生活であってもらいたいと思っています。