風薫る 5 月。ツバメ廊下横のケヤキの木の若葉が美しい頃です。

5月になります。

青葉の季節に青々と茂った樹木の間を爽やかな風が吹きぬけていきます。

音楽室から子どもたちの歌声や、入学して 1 ヶ月が経とうとしている1年生たちが先生の問いかけにその都度「はい」と応える元気よい返事が、薫風にのって聞こえてきます。

例年ならば、運動会に向けて慌ただしい時期となっていましたが、練習期間や当日の熱中症対策から今年度から秋開催に変更することになりました。

そのため、今月はどの学級学年も学習の基盤となる学級経営や、仲間づくりといった、子どもたちが安心して学べる環境づくりに力を注ぐことが可能になり、穏やかに過ごせるのではと考えています。

 

ところで、現在、文部科学省では次期学習指導要領改訂に向けた審議が進められています。

これからの教育を考えるキーワードの1つとして「Well-being(ウェルビーイング)」があります。

直訳すると「よい(well)状態(being)」。

また世界保健機関(WHO)では「心身ともに健康で、社会的にも良い状態」と表現されています。

様々論じられている中で、私自身が「なるほど」と思った説明を1つご紹介いたします。

「毎日いろいろあるけれど、全体的になんか“いい感じ、いい調子”と思えること」

……“ウェルビーイング”とはその定義や意味を頭で理解するのではなく、体で分かることが求められる言葉です。

毎日自分の感情や感覚に意識的になり、特に自分が前向きな感情(ポジティブ感情)を感じるのはどんな時なのか、何をしている時なのかと、「自分を知るプロセス」を気づいた時に行っていくことが効果的です。

こうしたことを繰り返すことで、少しずつ、しかしながら、確実に“ウェルビーイング”を体感し、自分の言葉で説明できるようになるのみならず、存在としてそれを体現できるようになります。……

(財)日本ウェルビーイング推進協議会 代表理事 島田由香    

「教育研究」1466号  2024,4 月 pp20-21

子どもたちの「Well-being(ウェルビーイング)」は、難しいモノサシなどを使わなくても、表情・会話の様子・立ち居振る舞いから、大まかな状態を把握できるような気がします。

平日の子どもたちの生活時間の約 1/4~1/3 は「学校」で過ごす時間。

「少し嫌なことがあっても、でも大丈夫」と思える気持ち・子どもたちが嬉しいことばかりでなくても「明日」を信じてへこたれないで元気を持ち続けられるように、「学校」も温かい居場所でありたいと思います。そのためにも我々教職員もアンテナを高く張りながら、子ども理解に努めていく必要があると思っています。

一人一人が自分の良さや可能性を信じ、伸ばしていけるよう、「家庭と地域」の皆様にお力添えいただきたく、よろしくお願いいたします。

 

今月もどうぞよろしくお願いいたします。